――ずっと好きだった。
高槻くんが言ったセリフ。
ずっと、という言葉に裏切られて、
わたしは男の子からの『好き』を、信用できなくなってるのかもしれない。
不審の目を向けているわたしを見下ろして、星野彗は考えるように顎に親指をあてた。
「えー? 奈央ちゃんはすげー俺好みだしぃ、あとは直感かな」
「直感……」
それって結局は、外見だけで判断してるんじゃ……。
言おうとした瞬間、星野彗は微笑みながら、腕を広げた。
「とにかく、俺は奈央ちゃんのこと好きだし。それでいいじゃん」
あ、抱き付いてくる。
そう感じたとき、不意に、目の前に大きな身体が現れた。
イチョウが散る、鮮やかな黄色い通りに、
細長いブレザーの背中と、無造作にセットされた黒髪が映える――。


