それでもキミをあきらめない




星野彗は、たいしたことないと言うようにゆっくりうなずく。


「元が地味とかでもさぁ、今現在、可愛いならいいじゃん」

「だ、だって、星野くん、わたしに気が付かなかったんだよ。2組の教室に捜しにきて、顔を正面から確認したのに、メイクしてなかったら」

「でも、今は可愛い」


はっきりと言われて、言葉を失ってしまう。

星野彗は「うーん」とうなって、わかりやすい説明をひねり出すように、ゆっくり首をふった。


「俺さー、整形とかでも、全然気にしないタイプなんだよね」

「え……?」

「まあ整形は極端な例だけど。とにかくさ、そういう努力?みたいの込みで、俺は可愛い子が好きなんだよ。可愛くなろうと頑張った結果、本当に可愛くなってんなら、全然問題ないじゃん」


にかっと白い歯を輝かせ、親指を突き出す星野彗に、わたしはたじろいでしまう。