それでもキミをあきらめない




「奈央ちゃん……?」


星野彗はわたしの言葉の意味がわからないというように、目を見開いていた。


「わ、わたし、本当は、すごく地味で、暗くて」


喉が震えて、言葉がうまく出てこない。

細い糸を指先でつむぐように、慎重に空気を吐きだした。


「今の姿は……メイクで作ってる、いつわりの姿だから」


星野彗は絶句しているようだった。


可愛い女の子が大好きな彼にとって、中身が地味ブスな女と付き合ってたなんて、

ものすごい屈辱かもしれない。


だましてたのか、と怒鳴られることを覚悟して、目をつぶる。


ごめんなさい、と言いかけたとき、星野彗がつぶやいた。