メイクをして髪型を変えたら、確かに周りの、わたしを見る目は変わった。


学年のアイドルと呼ばれる星野彗がびっくりするくらい関わってくるようになったし、

これまで幽霊みたいに存在感がなかったわたしに、

声をかけてくれる人も増えた。


注がれる視線にも、少しは耐えられるようになってる。


でも、見た目を変えても、わたし自身は結局、なんにも変われていない。



――お前、よっぽどツラかったんだなぁ。



ふと、翔馬の声が耳の奥で響く。


いつもふざけたことばかり言うのに、昨日の夜はめずらしく表情をかちりと締めて、

兄はわたしに言ったのだ。




――復讐は終わりにしろ。