「でも――」 強く張りのある声が鼓膜を震わせる。 これまでと違う、芯のある響きに、思わず顔を上げてしまう。 翔馬に引きずられながら、高槻くんは無理やりこちらを振り返っていた。 真っ黒な目に、強い光を宿して、叫ぶ。 「小塚が俺を嫌いでも――」 その声は凛として―― 「それでも俺は、君をあきらめない!」 ――――――