それでもキミをあきらめない




「けど、抱きつくくらいならいいんでしょ?」

「えっ」


不意をつかれて、わたしは彼の腕に閉じ込められた。


「ちょ、星野くん」

「だって奈央ちゃんにまったく触れなくなっちゃったら、俺、エンジェルゲージが0になって死んじゃう」


またしても意味のわからないことを言っている。


薄い胸に両手を突っ張ると、星野彗の両腕はあっけなく緩んだ。

彼の腕から逃げ出して、わたしは息をつく。


わたしが自力で抜け出せるくらいの力加減を保ってくれるなら、まあ、大目にみてもいいかな。


そんなふうに答えさせてしまうくらい、

星野彗の笑顔には、人の心を柔らかくする不思議な力があるみたいだった。