「絶対、ダメっ」
強く言うと、星野彗はますます切なそうに眉を下げた。
「でもさっきのは、奈央ちゃんが泣いてたから、慰めようと思って」
「そりゃあ……星野くんみたいな人に、あんなふうにされたら、喜ぶ子はいっぱいいるんだろうけど……」
わたしみたいに星野彗ファンじゃない上に、男慣れもしていない女子には、刺激が強すぎる。
もごもごと口にすると、
「わかったよ」
アイドル男子はため息をついた。
「なんでダメなのかよくわかんないけど、奈央ちゃんが口利いてくれないのは嫌だから、我慢する」
にこにこと笑っている顔を見ていると、不思議と尖っていた気持ちがまるくなっていく。
星野彗は――
人の心の動きに鈍感だし、話がほとんど通じないけれど、
そんなに悪い人じゃ、ないのかもしれない……。


