それでもキミをあきらめない




声を張り上げて、星野彗は座ったまま彼をにらみつける。


どうやら高槻くんがわたしに覆いかぶさっていた星野彗を引き剥がして、

その拍子にアイドル男子は手すりに頭をぶつけたらしい。


「つかお前、なんでここに」


はっとした顔をすると、星野彗は慌てたように近づいてきて、わたしの肩に手をかけた。


「奈央ちゃんのさっきの叫び声聞いて、階段駆け上がってきたんだろ? どんだけ必死だよ!」


わたしは驚いて目を上げた。

全力疾走した直後みたいに息を喘がせながら、高槻くんは苦しそうに星野彗をにらみ返す。


「な、なんだよ」


高槻くんの目つきに微妙に身体をこわばらせながら、

それでも星野彗はわたしの肩をつかむ手に力を込める。


「そんな目したって、奈央ちゃんは返さねぇからな!」