「よく……仲間の人と賭けをして、罰ゲーム、やってるよね?」
「ああ、やってるやってる」
にこーっと無邪気な笑みを浮かべる彼を見てると、胸にざらりとした感覚が走る。
「罰ゲームって、どういうふうに内容を決めてるの……?」
高槻くんは、『セイがそういうの好きで、よく考えるから』と言っていた。
「……星野くんが、内容を決めてるんでしょ」
唇が、ちいさく震えてしまう。
靴箱の裏で聞いた、きんと耳に響く声。
――あんなブスに告るなんて、ほんとすげーよ――
「学年でいちばん地味で、暗い女子に、告白させたり……」
振り絞るように言った言葉に、星野彗は一瞬、不思議そうな顔をした。
それから、ふにゃっと笑う。


