本当にそう? 高槻くんは、わたしが地味ブスの姿をしているときに態度を変えたりした? 彼の家に行った日、帰り道で過去の悲しい話を聞かせてくれなかった? 頭の中で、ふたつの考えがぶつかりあう。 高槻くんを信じてはいけないという気持ちと、 信じたいという気持ちが、 胸をぎゅうぎゅう締め付ける。 心を鎮めるために窓の外の景色に目を向けると、 柔らかな日差しに照らされて、緑と紅葉した葉と、 いろんな形をした屋根が、青空の中を流れていった。