さりげなく首を回して、机からまっすぐ生えたように身じろぎひとつしない彼女を視界に留める。 毒キノコは、相変わらず養分を取り込むために、分厚い知識の束に目を落としている。 わたしたちは、仲がいいわけじゃない。 ただ、わたしがまとわりついているだけだ。 友達になろうと約束したわけでもないし、お互いに友達だとも思っていないかもしれない。 そもそも友達がどういうものかも、わたしには分からなかった。 そういう対象がいたのは、もうはるか昔のことで、すっかり忘れてしまっていた。