ケータイ奴隷

あーあ、とあたしは伸びをした。こんな生温い風、体に良くてもごめんだ。

しばらくソファーに座っていたあたしは、はっとして天井を見あげた。

ケータイを充電するの忘れていた!!

慌てて、階段をかけあがる。風があまり入ってこないあたしの部屋は蒸し風呂のようで、汗が一気に噴きだした。

充電器をつけて、画面を見たあたしは、ぎょっとした。未読メールが百件以上ある。

もしや、と思って見てみると、すべてケータイからのものだった。

【充電してください】

【どうして充電をしてくれないんですか?】

【ゆかりさん、いい加減にしてください】

すべてを読んだわけではないが、最後のほうになるにつれ、ケータイが怒っていることがわかった。

あたしは、ごくりと息を呑み、メールを打った。

【遅くなってごめんね】

うっかり忘れていたことを悟られないように、謝り、送信する。