ケータイ奴隷

帰り道、あたしたちは飽きもしないで、海へ行くことを話していた。

「わたし、今日からダイエットするっ」

とりさが拳を作って意気込む。ビキニを着るつもりだから、あたしも痩せないとまずいよなあ、と思いながら、最近くびれが無くなってきつつあるお腹を、こっそりなでた。

二人と別れたあたしは、鼻歌混じりに歩いた。

そうだ、と通学カバンからケータイを取り出す。電池の消耗が激しいので、今日は電源を切っておいたのだ。

電源を入れて、通学カバンに戻そうとした。

『♪♪♪』

【電池が一個しかありませんよ。わたしが言わなくてもすぐに充電をしてくれないと困ります】

メールを読んで、あたしは、えっ、と思った。全校集会で体育館に行く前に、電源を切ったときは確かに三個あったのに。
なんで電源を切っていたのに、電池が減るの?

不思議に思いながら、あたしは歩きはじめた。この暑いなか、走って帰る気は起きず、できるだけ日陰を探して、ゆっくりと帰った。

あたしが玄関のドアを開けると、

「おかえり」

と母が出迎えてくれた。目的は通知表だろう。