ケータイ奴隷

「きりーっつ、れーい」

学級委員長の号令で、頭を下げる。

挨拶がすむと、がやがやと教室にたくさんの話し声が一気に響いた。

「ゆかり~、通知表どうだった?」

りさとえみが机の周りに集まる。あたしは、にっ、とピースをしながら、通知表を見せた。
覗きこんだ二人が、わあ、と声をあげる。

「すご~い、英語4じゃん。わたしとか2だったんだよ……。あー、帰ったら説教だよ」

りさが悲痛そうな声で、肩を落とす。まあまあ、とえみが肩を叩いた。

「明日から夏休みなんだから、落ち込むなって。あ、海に行く日いつにしよっか? 彼氏たちは七月中に行きたいらしいんだけど、ほら、あの日があるからさ、二人に聞いてからにしようと思って」

あの日、とは口にださなくても生理だとわかり、あたしはいつ生理があったか思い出した。七月以内なら大丈夫だろう。

「あたしは大丈夫だよ」

とえみに告げる。

「わたしも先週終わったばっかりだから、だいじょーぶ」

「良かった、じゃあ彼氏に聞いてみるから、今日いつ行くかメールするね」

うんっ、とあたしとりさは同時にうなずいた。