ケータイ奴隷

ありがとうございます、という言葉の影も見えない文章だった。

「なによ、この態度……」

あたしは、頬を膨らませて、ケータイを閉じようとした。

『♪♪♪』

【また電池が一個しかありませんよ。すぐに充電してください】

だって、昨日充電したばっかりなんだよ、と思いながら、あたしは画面の上を見た。確かに電池が一個しかない。
そういえば、最近やたらと電池の消耗が激しい気がする。

充電器をつけると、あたしはベッドに寝転んだ。

万引きをした罪悪感はあったが、あたしにはケータイを使うことができるという安心感のほうが大きかった。

あと三日で夏休み。ケータイが使えないと、全然楽しくないもん。

少し斜めになったデコシートを見ながら、そう思った。