ケータイ奴隷

実際そうだったのだが、綺麗をキレイと読むことくらい、あたしにだってわかる。

なんだかケータイに頭が悪いように、見られている気がした。

とりあえず、そのことは置いておき、あたしはさっきのメールを読み返した。

「わたしの体を飾りつけてくださいって……デコるってこと?」

傷を隠し、かつキレイにとなると、ラインストーンなどでそうする以外に思い浮かばない。

簡単に作れるように、ラインストーンが並べられたシートとかあるけど、あたしは今月のおこづかいがもう残っていない。

だから、そのことをケータイに送った。

【今月のおこづかいがもう残ってないから、デコるための材料が買えないよ】

ふー、とあたしは息をついた。これであきらめてくれるでしょ。

『♪♪♪』

それなら仕方ないですね、という内容のメールだとばかり思っていた、あたしは驚いた。

【だったら盗めばいいじゃないですか】

盗むって……それって万引きしろってこと?