ケータイ奴隷

夏休み三日前になると暑さもテンションもあがりっぱなしだ。

あたしたちは、休み時間も掃除中も帰りのホームルームでも、べらべらとしゃべりっぱなしだった。
まあ、これはいつものことなんだけど。

りさとえみといつもの道を通り、家へと帰る。そこでも夏休みの予定について、話していた。

「今年は遊びまくろうね~」

りさが拳をつきあげる。

「つーか、それ去年も言ってなかった?」

えみがつっこむので、あたしは笑った。

えへへ、とりさが頭をかく。

「そうだったっけ。わたし海に行くのが楽しみでさ」

「あたしもあたしも」

期待してえみを見ると、お任せください、という風に胸を叩いた。

「一応、七月の終わりに行こうって彼氏と話したんだ。向こうも二人連れて来るって言ってたよ」