ケータイ奴隷

それから一週間経った。ケータイからのメールは毎日かかさずあった。

ケータイが送ってくるメールは漢字が増え、あたしにはわからない単語を時々使うようになっていた。
まるで、ケータイがどんどん成長しているように、あたしは感じている。

【待ち受け画面はシンプルなものにしてください】

そうメールが届いたときは、元々ケータイにあった固定データを待ち受け画面に設定した。

【メールと着信音が騒々しいので、静かなものに変えていただけないでしょうか】

あたしはラップとかノリのいい音楽が好きなので、静かな曲なんてなかった。だから、これも固定データの中から、オルゴール系の音楽を選び、設定しておいた。

その日も、りさと電話で一時間ほど話して、あたしは勉強をしようと机に向かった。

『♪♪♪』

ケータイからのメールだ。今度はなんだろう、とあたしは、知らず知らずため息をつきながら読む。