ケータイ奴隷

【全部友達からもらったりしたお気にのだから、ガマンしてよ】

送信する。予習もひと段落したので、ゲストブックでも覗いて見ようと、ウェブにつながるボタンを押した。

【ネットワークに接続できません】

というメッセージが表示される。何度繰り返しても同じだった。

「なんで、なんでよ?」

画面の上を見ると、圏外になっていた。なんで、あたしの部屋で圏外になんかなるのよ。

「――あっ」

あたしはじゃらじゃらぶら下がっているストラップを見た。

「もしかして、ストラップをはずさなかったから、つながらないようにしたの?」

それしか考えられなかったので、あたしは慌ててストラップをはずした。ひもがきつく絡まっていて、とても苦労したが、なんとか取ることができた。

確認すると、ちゃんとアンテナが三本立っていた。

【ごめんね】

とケータイにメールを送っておいた。