ケータイ奴隷

それから三日経った。不安がなくなったので、勉強にも身が入り、小テストで百点を取ったりして、絶好調だった。

ケータイからは時々メールが届いていた。

【おはようございます。きょうのてんきは、どうでしょうか?】

【きのうは、たくさんめーるをしましたね】

とかいう内容で、あたしはケータイと友達のようにメールをしていた。

ケータイの送ってくるメールはひらがなばかりだったが、文章の途中には点を最後には丸をつけだしたので多少は読みやすくなっている。
それに幼稚園児からの手紙のようで、かわいらしく思っていた。

その晩、夕飯を食べたあたしは部屋で音楽を聴きながら、明日の予習をしていた。

『♪♪♪』

見ると、ケータイからのメールだった。

【ゆかりさんおねがいがあります。ストラップをはずしてもらえませんか? おもたくてたまらないんです】

はあっ、とあたしは画面を見た。

「なによ重たいって。たかが五、六個しかつけてないのに」

あたしはそう言いながら、メールを打った。