ケータイ奴隷

「マ、マジで送っちゃった……。ってかいたずらだよね、これ」

『♪♪♪』

今度は数分ほどして、メールが届いた。

【ゆかりさんですね よろしくおねがいします わたしわけーたいですからなまえはありません そしてわたしはこのけーたいのなかにいます しょうこうならめのまえにありますよ けーたいがつかえるようになったでしょう?】

あっ、とあたしは口をおさえた。

「じ、じゃあ急にケータイが使えるようになったのは、そのせいなの?」

あたしは、返信ボタンを押してすぐにメールを作成した。

【あなたのおかげでケータイが使えるようになったってこと? でもどうやったの? それで、なんであたしにメールしてきたの?】

さっきから?がやたらと多い文章だが、聞きたいことが山ほどあるからしょうがない、と送信する。

『♪♪♪』

今度は、さっきの倍くらいかかってメールが届いた。

【わたしはけーたいにもともといたのです さきほどゆかりさんのつよいおもいをかんじてめざめました わたしはいまじゆうにでんぱをつかうことができます だからでんわやめーるができるようになったんです】