ケータイ奴隷

「こういうことって、あるんだあ……」

にやけた顔で、そうつぶやきながらケータイを閉じる。

ケータイ会社のミスなら、気づかれたとき止められるだろうから、使いまくっちゃおう。
そう思ったときだった。

『♪♪♪』

「メールだ」

あたしは、一日半ぶりにメールができることに感激しながら、ケータイを開いた。だけど、目が点になってしまった。

「え……これって……」

表示されたアドレスは、あたしのメアドだった。

「なんで……?」

そこで、はっとして思い出した。

――それは、なんと自分のメールアドレスからだったのです。

やだ……本当にりさの話してたとおりじゃん……。

あたしは薄気味の悪いものを感じた。だけど、このメールを放っておくわけにもいかず、おそるおそる開いてみた。