「今日はいつもより楽しい一日だったからたくさん斬るよ♪」


みんなは私のために行動してくれた。


だったら私もみんなのために行動しなくちゃ。


「一人は皆のために、皆は一人のために。」


空海さんが急に壁を見ながら言った。


壁には先祖代々、受け継がれてきた言葉。


「今の俺達にぴったりの言葉だな。」


空海さんが急にそんなこと言い出すなんて...。


何かあったのかな?


みんなは空海さんの言っていることの意味はまだ分からなかった。


空海さんは珍しく微笑んで戦闘中に使うバンダナを出した。


「みんなのバンダナも出してくれ。」


空海さんの指示にみんな黙ってきいた。


全員のバンダナを手に取り、空海さんは四枚のバンダナを重ねた。


「こうやってな、全員のバンダナを重ねて光に透かすと、文字が現れるんだ。」


空海さんはバンダナを光に透かした。


浮かんできた文字を見て皆は息を飲んだ。


「心」


現れた文字は『心』だった。


なぜだか、深く目に焼きつかれた瞬間だった。


それと同時に、何か糸が切れたような、そんな感覚に浸った瞬間でもあった。