短編集

 


冷気は鏡から流れていた。


鏡の中のアカリが、スッと笑みを消した。



おかしい……


私は笑っているのに、

笑顔を作っているはずなのに、

鏡に映るのは、ジットリと恨みがましい目でこっちを見る女の子。



いつもの可愛いアカリと違い、
肌は青白く、陰欝な雰囲気。



まるで幽霊みたいな……



後ずさろうとしたけど、動けなかった。


足が凍りついたように床に張り付いている。



鏡の中から白い腕が二本、
ニュッと伸びてきた。



その手が――

私の首にかかり、ゆっくりと絞め上げていく。



恐怖のあまり、声も出せなかった。


無我夢中で白い手を外そうとして、ハッと気付く。



鏡越しではなく、首元を直接見ると、白い手なんか存在しない。



私の首をしめているのは、

私の手――