短編集

 


 ◇◇◇


センスの良い小物に囲まれた部屋で、今日も爽やかに目が覚めた。


フリルが可愛いカーテンを開けると、眩しい初夏の日差しが差し込んでくる。



大きく伸び上がり、流行りの曲をハミングしながら洗面所に行く。



今日は授業の後、いつものメンバー8人で飲みに行く。


その後、ユウダイがうちにお泊りする予定。



全てが上手くいっていた。


私は完璧にアカリに成り切れている。


彼氏も友人も、実家の両親も、私をアカリと呼び笑顔を向ける。



毎日が楽しくて仕方ない。

バラ色の人生とは、このことだと思った。



嬉しくてニヤニヤしてしまう。


顔を洗い、化粧水をたっぷりつける。


鏡に映る私は、今日も可愛い。


可愛いすぎて、なかなか鏡から離れられない。



鏡の中のアカリにうっとりしていると――



辺りが急に薄暗くなった気がした。


初夏なのに、なぜかひんやり冷たい空気も流れて来る。