短編集

 


青白いスマホの光が、暗闇に浮かんでいる。


お陰で、アカリとの距離感が掴みやすい。



両手に力を込める。

私の左手には麻紐が握られ、右手には空き缶を持っていた。


まずは空き缶を、放り投げた。



月明かりを浴びた空き缶は、放物線を描き、アカリの前に落ちる。



カラ、カラカランと響いた大きな音に、

アカリが驚き足を止めた。



素早く駆け寄り、後ろから麻紐をアカリの首にかけた。



逃げようとしたところで、もう遅い。


自分の首を絞めるのが誰なのかも分からない内に、

アカリは絶命した。



いや、死んだのはアカリじゃなく
“タナカさん”だった。


これからは、私がアカリになるのだから。