短編集

 


我慢して読み続けること30分、急に眠気が吹き飛んだ。



「これだ……」


そう呟いた言葉に、空席二つ開けた隣の子が、気味悪そうな目で私を見た。



全く興味のなかったその本の、ある部分だけに強烈な興味を引かれた。



“歯医者……レントゲン……治療痕……”



その本には、私がアカリになるためのヒントが書かれていた。


頭の中に素晴らしい計画が形作られていく。


興奮して鼻息が荒くなり、叫びたい気持ちだった。



4列前のアカリを見る。


彼女は真面目にノートを取り、時々隣の席の友人と小声で話し、クスクス笑っていた。



ああ、可愛いアカリ……

素敵なアカリ……



これが成功すれば、
私は完全なアカリになれる。




――――……