短編集

 


たくさんの友人や彼氏に囲まれ、楽しそうに笑うアカリ。


柱の影からジッと覗くだけの私。


見た目はそっくりなのに、私はまだアカリになっていないと痛感する。



もっともっと、アカリになりたいのに、

これ以上、何をすればいいのだろう……



アカリになる方法を考えながら歩き出した。


食堂から出ようとして、誰かにぶつかってしまった。



「キャア」と可愛らしい声を上げ尻餅をついたのは、眼鏡の女の子。


大学構内で見かけた覚えがない女の子なので、入学したばかりの1年生なのだろう。



転んだ彼女の周囲には、鞄の中身が散らばってしまった。



「ごめんね、大丈夫?
怪我してない?」



彼女の腕を引っ張り立たせて、優しく心配した。


アカリなら、きっとそうするだろうと思って。



転んだことが恥ずかしかったのか、彼女は顔を真っ赤にして謝った。



「大丈夫です。私こそ、すみませんでした。
本を読みながら歩いていたせいで……」