短編集

 


私から逃げていく彼女達の顔色は、なぜか青かった。



アカリと仲が良く、いつも一緒にいる彼女達。


アカリになり切って明るく話したのに、どうして怯えるのだろう。



変な人達だと首を傾げてから、再び廊下を歩き始めた。



歩いていると、あちこちから「アカリ」と呼びかけられる。


後ろ姿だけでなく、正面からも間違えられることが、嬉しくて仕方ない。



それというのも、春休み中、美容整形したお陰だ。



瞼を切開し、鼻筋を通した。


顎骨を削ってフェイスラインを整え、唇にヒアルロン酸を注入した。


アカリみたいな八重歯の差し歯も入れた。



アカリそっくりに整形するのに掛かった費用は、約500万円。


どんなにバイトしても、そんな大金を急に手に入れられないので、借金をした。



正規な金貸しには相手にされず、闇金にお金を借りた。



返せるアテはないけど仕方ない。


アカリになる為に、何でもしなければいけないから。