短編集

 


 ◇◇


冬が過ぎ春になった。


バイトに明け暮れて単位がギリギリだったけど、

何とか留年せずに、アカリと一緒に進級できた。



春休み明けの久しぶりの登校。

肩についた桜の花びらを払い、ウキウキした気持ちで正門を潜った。



玄関ホールに入ったところで、前から歩いてくる女子二人に声を掛けられる。



「アカリ、おはよー」



「おはよう!」



「課題やってきた?
私、やったけど自信なくて」



「私もー。難しかったよねー!」



「だよねだよね。アカリはレポート用紙、何枚分になった?

提出前に三人で見せっこしよう………………あれ?」




アカリの友達二人は、私を間に挟み話していた。



しばらく話してから、やっと間違いに気付いた。



二人がサッと、左右に離れた。



「嘘っ……本気でアカリだと思った……何で?」


「似過ぎて、怖……
あ、な、何でもないから!バイバイ!」