気づくとあのうるさかった男子はいなくなっていた。


そのかわり、私たちの周りには女子だらけ。


……なんで?


「この人!先輩と喧嘩して勝っちゃった人!」


「めっちゃカッコ良いじゃん!」


あぁ、なるほど。


こいつだったのか…。


「おい、駿。お前すぐ喧嘩するのやめろって言っただろ…」


「……喧嘩売ってきたやつが悪い」


「はぁ、とにかく女子たちをどうにかしろ」


「……めんどくさい、逃げる」


と言って走り出した。


私の腕を掴んで。


なんでだよ…。