優理香はきょとんとした顔をしたまま、凌路を見つめていた。
(凌路さんは私のこと好きなの?
その辺の言葉はきいてないわ。
私のことを克服したら、彼の人生の中で1歩進めるんじゃなかったの?
ライドを恨んでいるからっていっても真っ向勝負かけて得をするかどうか。)
「どうしたの?
また気分が悪くなった?」
「ありがとう・・・。
過去からいろいろあったけど、気持ちだけいただくわ・・・ってかっこよく言えたらいいんだけど・・・。
私・・・ライドを見たら、普通でいられるかすごく不安なの。
もしかしたら、ライドも何か理由があったのかもしれない・・・でもそこまで考える余裕がないの。
だから、あなたに・・・甘えてもいいのかしら。」
「いいんだよ。いっぱい甘えてくれるとうれしいかもしれないな。」
「でも、私・・・私はそういうこと・・・あの・・・抱きつかれたり、裸にされたりしたことはあるけれど、男性といっしょに寝たこともないの。
そういう女でも、つまらなくない?
もしかしたら、夫婦の生活をしようとしたら殴ってしまうかもしれないし、それでも・・・いいの?」
「君は今、いくつだったかな?」
「27だけど・・・。ごめんなさい!もっと若い方がいいのに・・・。」
「いいや。35の俺にはちょうどいいし、いまどき27のはじめて女性なんて最高の花嫁だよ。
どうかな?もうそろそろ返事をきかせてくれてもいいんじゃないか?」
「答えははい・・・で。よ、よろしくお願いします。」
「うん、こちらこそ。」
結局、入籍は2日後、結婚式は療養期間が終わる3か月後にした。
優理香は毎日温泉に浸かりながら、精神科の医師によるカウンセリングを受け、残りの時間を凌路の経営する施設で働くことにした。
「ほんとに手伝ってもらっちゃっていいのか?」
「ええ。動いて仕事するのが好きだし、今はペンを持つよりも目に見えて誰かのためになってる仕事をする方が気分がいいの。」
「そっか。
君が取材にいくときは声をかけてくれよ。
またカメラマンでくっついていくからな。」
「変な社長さん・・・。」
「なんだよ。お互い持ちつ持たれつ・・・だろ?」
「でも、凌路さんはトップなのよ。」
「ああ、俺もホテルの代表だったときは、君の言おうとしている側の人間だった。
でも、今は、信頼のあるスタッフに任せることにしたんだ。
毎日あくせくがんばってきて、振りかえれば仕事以外何もなかった。
もちろん俺の過去のことも振り返らすにきてしまった。
そんなときに君の書いたものを見たからね。」
「見たらやる気がなくなった?」
「いいや。自分の人生を見直していて、やっぱりやらなきゃって思った。
俺のせいで傷ついたままの女の子に幸せになってほしいと思ったからね。」
(凌路さんは私のこと好きなの?
その辺の言葉はきいてないわ。
私のことを克服したら、彼の人生の中で1歩進めるんじゃなかったの?
ライドを恨んでいるからっていっても真っ向勝負かけて得をするかどうか。)
「どうしたの?
また気分が悪くなった?」
「ありがとう・・・。
過去からいろいろあったけど、気持ちだけいただくわ・・・ってかっこよく言えたらいいんだけど・・・。
私・・・ライドを見たら、普通でいられるかすごく不安なの。
もしかしたら、ライドも何か理由があったのかもしれない・・・でもそこまで考える余裕がないの。
だから、あなたに・・・甘えてもいいのかしら。」
「いいんだよ。いっぱい甘えてくれるとうれしいかもしれないな。」
「でも、私・・・私はそういうこと・・・あの・・・抱きつかれたり、裸にされたりしたことはあるけれど、男性といっしょに寝たこともないの。
そういう女でも、つまらなくない?
もしかしたら、夫婦の生活をしようとしたら殴ってしまうかもしれないし、それでも・・・いいの?」
「君は今、いくつだったかな?」
「27だけど・・・。ごめんなさい!もっと若い方がいいのに・・・。」
「いいや。35の俺にはちょうどいいし、いまどき27のはじめて女性なんて最高の花嫁だよ。
どうかな?もうそろそろ返事をきかせてくれてもいいんじゃないか?」
「答えははい・・・で。よ、よろしくお願いします。」
「うん、こちらこそ。」
結局、入籍は2日後、結婚式は療養期間が終わる3か月後にした。
優理香は毎日温泉に浸かりながら、精神科の医師によるカウンセリングを受け、残りの時間を凌路の経営する施設で働くことにした。
「ほんとに手伝ってもらっちゃっていいのか?」
「ええ。動いて仕事するのが好きだし、今はペンを持つよりも目に見えて誰かのためになってる仕事をする方が気分がいいの。」
「そっか。
君が取材にいくときは声をかけてくれよ。
またカメラマンでくっついていくからな。」
「変な社長さん・・・。」
「なんだよ。お互い持ちつ持たれつ・・・だろ?」
「でも、凌路さんはトップなのよ。」
「ああ、俺もホテルの代表だったときは、君の言おうとしている側の人間だった。
でも、今は、信頼のあるスタッフに任せることにしたんだ。
毎日あくせくがんばってきて、振りかえれば仕事以外何もなかった。
もちろん俺の過去のことも振り返らすにきてしまった。
そんなときに君の書いたものを見たからね。」
「見たらやる気がなくなった?」
「いいや。自分の人生を見直していて、やっぱりやらなきゃって思った。
俺のせいで傷ついたままの女の子に幸せになってほしいと思ったからね。」

