「紅羽」




突然呼ばれ、思わず肘を後ろにいるであろう澪鵺にぶつけた。




「いって!
何するんですか紅羽」

「ごめん・・・驚いて」

「驚いた?
驚いた声、出していませんでしたよ?」

「・・・良いから。何の用?」




そこで私は気が付く。




澪鵺は、あのボサボサ黒髪太眼鏡の地味男じゃない。

美しい銀髪に綺麗な紫色の瞳が、露わになっている。




「・・・ろ、ロンリネス?」

「もう皆さん就寝の時間です。
出掛けるなら、今でしょう」

「え?もうそんな時間?」



お風呂も歯磨きもしていないのに。

ちなみに私は、お腹いっぱいになって眠ってしまい、つい先ほど起きた。

起きて早々「紅羽」の不意打ちなので、驚いた。