「嘘をつかない人間なんていない」

昔、誰かが言ってた。その言葉に私は、ただ頷くだけだった。


だって私もそう思うから。



私達は嘘だらけの世界で騙されて騙しながら生きているもの。

だからきっと彼だって私に秘め事があるにちがいないでしょう?




なのに、







なのに、










どうして?













彼に叩かれた頬が、じんじん痛む。


くすり。

あまりにも滑稽で、むしろ笑えちゃうね。


「女の子の一世一代の告白をビンタで返さなくったって良いんじゃない?」



まだ痛む頬に手をあてて上目使いで彼を見上げれば、いつものクールさはどこへやら哀しそうな顔をしてた。




「・・・・・ずるい」


ぽろりと私の口から言葉がもれる。

私なんか初めての告白をビンタで返されたのに。



どうしてキミがそんな傷ついたような顔をするの?




「ずるいのはキミの方だよ」


泣きそうな声。

彼が強く私を睨む。



























「本当は僕のこと嫌いなくせに」












「勝手に決めつけないでよ」



「キミは僕に嘘をついてる」

「ついてないよ」

「それすら嘘さ」

「・・・違うっ!」





「違わないよ」




「どうして?」


どうしてそんなこといえるの?







「どうして?ふふっ、キミが絵を描けないのは僕のせいだろう?」






















“真実なんていらない”


(キミの自虐的な笑みを見てればそう思う)