ドアを開けた私は驚いて腰を抜かしそうになった。
どこから見てもお腹の大きな妊婦さんとその傍らには小さな男の子の姿。
……ま、ままままさか?
愛人ですか?
隠し子ですか?
の、の、のり込んできたのー?
数秒で私の頭の中はパニックをおこした。
「あ、あの…うちの主人に、な、何か?」
「あの、表札を見たんですが…旦那様は蓮さんっておっしゃるんですよね?」
妊婦さんなのにお顔はシャープで綺麗。
愛人にしては私に敵意は感じられない口調と視線。
「…はい。確かにそうです」
「じゃ~奥様のお名前はみずきさん?」
「……あっ、はい」
「あ~。良かったぁ~。良かったね?れん?」
「うん」
目の前の親子は私が瑞希という名前だと知り、二人だけで喜びをわかちあっている。
何が良かったのか?全く話が見えない私は1人仲間外れ。
かといって、怖くて聞けない。
しかも
この男の子の名前…
『れん』っていうんだ?
父親の名前そのままもらったのーー?


