「おはよ。瑞希」
昨日の今日。
そんな満面の笑顔で挨拶されても戸惑う……。
「お、おはよ…」
とりあえず無視するのも大人気ないし、目は合わせずに素っ気ない挨拶を返してすぐにキッチンへ。
朝食は焼きすぎた堅いトーストとコーヒーのみ…。
重苦しい空気が漂う中、いつもテレビに釘付けの蓮がテレビのスイッチを切った。
余計に重苦しい。
「あのさ…今日はどこか外で晩御飯でも食べよっか?」
蓮からの提案は、明らかに昨日の巻き返し作戦。
「………いい。」
そんな提案ごときでご破算には出来ない。
「瑞希の好きな肉お腹いっぱい食べさせてやるぞ~」
「……いい。用事あるし…」
用事なんてあるわけないのに、どうしても素直になれない。
「…用事かぁ~じゃ~仕方ないか~」
ニコリと笑ってそう答えた蓮。
おいおい…………。
そこ…もっと食らいつかなきゃダメでしょ?
何で引くかな?
もっと強引に誘えっつうの。
全く~蓮は女心をわかってない。
私という人間をわかってないんだから……。
深い溜め息がでた。


