(4)デート

今年も、リーグ戦が終わった。

そして、1部昇格はならなかった。

4年生は引退し、
3年生の新キャプテンの元、
新チームによる練習が、始まっていた。


佐紀は、練習が終わると、
すぐに下宿に帰り
そそくさと、外出着に着替えた。

今回は、佐紀が祐太の所へ行く番である。

前回、と言っても、
リーグ戦の始まる前であるから、
もう、3か月も前になるが、
この時は、祐太が、佐紀の所に来た。

しかし、リーグ戦も近かったので、
祐太は、少し話しただけで帰ってしまった


しかし今回は、
二人のちょうど真ん中にある
湖畔の公園で会う事にした。

移動時間も、中間にあるので、少なくすむし
リーグ戦も終わったので、
早く帰る必要もない。

時間は、十分にある。

佐紀は、


  “今日は、多少遅くなっても構わない”


そう思っていた。


佐紀は、
電車の窓から流れる景色を見ながら
大学に入って、最初のデートを、
思い出していた。