そしてスポンジが首辺りを洗った時に突然、キスされたのだった。

闘いで放心状態の口に、何者かの舌が入る。
女性の物とは違う、『男の味』が口に広がり自分の舌をかき回した。

「やめろよ!」
慌てて顔をそむけて唇を拭いた。
「フフフフ!」
ハッシュは、俺の後頭部に両手を当てながらダンスをするように揺れて笑った。


「これからもよろしくね。トモヒー?」

こんだけ闘って、一万円は安すぎると思うが・・。
でも、闘わないといけないような一種の使命感のようなものが芽生えるのを感じていた。

「分かったよ。ただ・・」
「ただ?」
「キスするなよ。俺は、その気はない。」
「はははは!」
ハッシュはイタズラっぽく笑った。
これから夜になると、闘いが始まるんだ。

でもハッシュとなら・・なんだかやっていける気がする。
なんだか、そんな気がしたんだ。


おわり。