答えられるのなら
答えてやりたい。
でも。
「あ、あたし…」
「……?」
「わかんない…」
……。
ああ、こんなことだったら
もっとよく見ておけば良かった。
なんて、今更後悔しても
遅いのだが…。
と、そんなことを思っている最中。
はあ…、とため息らしき声が
静かにあたしに届き。
それに、ビクリ、と
肩を震わせると。
「では、ヒントです。
沖野は、初め被害者のお方と
接触していました」
…だから…?
と、あたしの場合こうなる。
「そうですね…。
初めの頃彼は、こう言いました」
『本日は、おめでとうございます。
つまらぬものですが、最高のコーヒー豆を用意させていただきました』
と。
その言葉に。
我ながら、素晴らしい考えに行き着いた。


