あたしは今、非常にワクドキの最中である。


《そう、この部屋で起きたことは、
すべて犯人の犯行。

そして、その犯人とは────》



───プツン



あれ?

目の前には、応答しなくなった

真っ暗な画面のテレビ君。




…何があった…?


え、と今の状況に未だ

理解していないあたしに。

やがて、もう一つの言葉が降ってきて。


「千秋さま」


わかった。今、わかったぞ。

犯人はこいつだ。



「狐燈、どういうつもり?」


「千秋さま。
そんなに前で見ていると、
目が悪くなりますよ」



………。


「それだけ…?」


「はい」


ああ、とうなだれる。


これだけのために、あたしは

犯人が誰かを見逃したのだ。



「そんなに犯人が知りたかったのですか?」


「当たり前じゃん…」


あー…、ともうだめだ…、と

うなだれながら頷くと。


顎に手を添えて、ふむ…と考えた彼は。


「では、犯人が分かれば、
それでいいのですね?」


随分とにこやかである。


「まあ…」


その笑顔に、何だか嫌な予感を感じながら

あたしは、恐る恐る頷いた。


それを見た彼は、微笑み、

ゆっくりと紡ぎ始めた。