「そーっすね…。俺、次出るんで行きます。相手してくれて、どもでした。」




そう言って立ち上がり扉の方へ向かうと「ちょっと待って。」と呼び止められ投げられたものをキャッチする。




「俺的にはもう少し話たかったんだけどね…。残念。それあげるよ。」




掴んだものを見ると俺の好きな味の棒付きキャンディ。




「…ありがとうございます♪俺、これ超好きなんすよ。」




先輩に笑顔でお礼を言い教室へと戻った。



俺は戻る背中を愛おしそうに見つめられ名前を呼ばれた事など知る由もなかった。