…奏多のおかげだけど。
「ふーん…?」
奏多を見ると解らないといった顔をしていたが、さほど気にしている様子はないのでそのままにした。
俺の教室に差し掛かった頃、いつの間にか隣りに並んでいた奏多が「なぁ…なんかこの辺り寒くねぇ?」と言ってきた。
俺の心臓がこれでもかってぐらいに跳ね上がる。
グギギ_と音が聞こえそうなぐらい不自然に奏多を見上げ「き、気のせいじゃね…?」とだけ答えた。
奏多にも分かるぐらいなブラック泉李のオーラ。
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