強く腕を掴まれて振りほどく事が出来ずに奏多ペースでズンズンと階段を上っていく。 重厚な扉を開けると遮断された世界から解放された世界へと視野が広がっていく。 雲一つない澄み切った青い空は見るだけで温かい気持ちになる。 「突っ立ってねーで座ろーぜ。」 ドカッという音をたてながらソファーに座る奏多に頷き横に座る。 タバコを取り出し「…なぁ、吸ってもいいか?」と遠慮がちに聞く奏多にクスリと笑みが零れる。