♀乙女座と吸血奇術師♂~ヴァルゴトマジカルヴァンパイア~

「やっぱり、あなた無しじゃ、駄目なのよ!

お願い、力を貸して、『静ねえ』!」

「め、恵…?」

「みんな、私達の描く光の芸術…期待してるよ。

はい、静ねえのナイフ。」

「…何言ってるの、恵。

アンタのトラウマ利用してまでこの絵を壊そうとした私に、そんな資格…」

「もう、そんな事どうだって良いよ!

私には、小谷静が必要なのよ!」

「…」




「…今回の、会場の見取り図と絵の下書き、今持ってる?

それと…ナイフ。」

「し、静…」

「何してるの?時間がないんでしょ?

さっさと、しあげちゃうよ、『めぐ』!」

「えっ…




うん!分かったわ、『静ねえ』!」




「…そう、そこから塗っていって頂戴!

そして、天使の羽のその部分は、塗ると言うよりは、気持ち青と黄色を盛る感じで!

良いじゃん!私が離れている間に随分、腕上げたんだね、めぐ!」

「静ねえこそ、久し振りだなんて、とても思えないわ。

あの見取り図と下書き見ただけで、絵の完成形を即座にイメージしちゃうなんて…

やっぱり、静ねえにしか出来ないよ。」




「ふふっ…」

「どうしたの?めぐ。」

「もう一度静ねえから、めぐ、って呼んでもらえる日が来るなんて…

今の私、とっても幸せよ。」

「…私だって、もう一度めぐから静ねえ、って、呼ばれたかったよ。

…絵を描くって、楽しいね、めぐ。」

「うん…」




「…私達の出番は、これ以上無さそうね。

礼士さん、行きましょ?

後は、恵さんと静さん、そして彼女達の後輩部員達にこの場は任せましょう。」