良いこと言ってるようで全然言ってないし....

「あ、それと、土方さんが夕餉の前に部屋に来いって言ってました。」

言うの遅くないですか?

「はぁ...」

僕はため息をつきながら、部屋を出る。

が.....

「土方さんの部屋何処だっけ?」

部屋の場所が分からない事に気づく。

「どうせ、そうなると思いましたよ。」

後ろから声がし、振り返る。

「俺が案内しますよ。」

そこに居たのは、頼れる黒猫だった。

「てか、部屋とか道とかわからないのに、何で一人で行こうとするんですか?」

「う".....」

それは、大変反省してます。

「土方さんの部屋はここですよ。」

え......

黒猫が指さす土方の部屋から、僕の部屋の距離.....

二つ隣の部屋。

近っ!

今はそんなこと考えるよりも、用事を済まさなきゃ。

「土方さん、神季です。」

「おう、入れ。」