それは、

「黒猫……お前が?」

大きな狐の死体だった。

「いえ、俺が行ったころにはもう……」

沖田との言い合いを止め、黒猫は僕に刀を返す。

そんなことより……

「この狐……どうしよっか。」

沖田が、いつもの目に戻り言う。

確かに、沖田が言うことも大事だが……

「この狐…可笑しくないか?」

「「え?」」

二人同時に聞き返してくる。

「まず、体の傷。」

狐の体は、所々傷があった。

まだ、それだけなら良いが傷の場所には必ず変な模様があった。

黒く書いてあるものは、まるで呪文のよう。

「そして、お腹」

僕もさっき気が付いたのだが……

「何か貼ってありません?」

まるで、お札のようなもの。

黒猫は、それに近づきはがした。

そしてお札をよく見ようとした時だった。

「熱っ」

お札がいきなり燃え始めた。

さらに、狐の体も燃え始めたのだった。