幕末妖怪物語*

「何時ぐらい時間ってたった?」

「さぁ?」

僕等は、かなり歩いたが……いっこうに妖怪にたどり着かない。

「本当に、妖怪なんて居るのかよ?」

「でも、どんどん妖気の糸、太くなってる。」

僕の指摘に、黒猫はため息をつく。

「ほんの数センチだろ?このままじゃ、夜が明けてるぜ?」

確かにその通りだった。

沖田は、ずっと能力を使ってるせいか……げっそりしていた。

「沖田、この妖気は沖田から離れても見えるか?」

「うん、妖怪が近くなっても僕が能力を使っていれば、くっきり見えるよ。」

それなら………

「黒猫………。」

「はい?」

最後の手を使おう。

「本体になって走って来い。」

三人じゃ、黒猫が一番早い。

夜が明ける前に終わらせるなら、これが一番だ。

「相手が強かったら?」

「戻ってこればいい。」

黒猫の強さなら、大抵の妖怪をねじ伏せる事は容易なはず……