わいは、副長が喋り出すのを待つ。

「とりあえず、山崎。」

「はい。」

「見た状況を一から説明してくれ。」

「わかりました。」

見たままの事を、淡々と話す。

そのたびに、副長の皺は深くなる。

「………はぁ、なんとなくわかった。山崎……」

「はい?」

「裏で情報をつかめないなら……」

副長はそこで句切ると、ニヤリと笑う。

い、嫌な予感や。

正面から聞きに行くとか言わないと良いん……

「表から、突っ込むのみ。」

………予想通りや。

もう、わいが何言っても無駄やろう。

「って事で頼んだ。」

「御意。」

仕事に戻った副長に頭を下げ、部屋を出る。

「はぁ。」

自然と出てしまうため息。

不甲斐ない。

本来やったら、わいが裏で調べなあかんのに。