そして、まるで地に足が付いていないような足取りで駆ける。


大樹の根元にたどり着くと、青年は息を飲んだ。


大樹の根が、それはそれは大事そうに一人の白銀の髪の少女を包んでいた。


青年は恐る恐る手を伸ばし、少女の白い肌に触れた。


ほんのり温かいそれに、青年は小さく笑みをこぼす。


「…初めまして」


青年の透き通る声が、小さく響いた。