ピチャンッ…ピチャンッ…


水の滴が滴り落ちる。


白い木々の根が生い茂り、様々な色の葉が風に揺れている。


青白い空に、なんだが不思議な気分に陥るその空間に一人の青年が立っていた。


青年は、まるで大事そうに根に包まれ出来た大きな湖の中央にそびえ立つ大樹を見上げた。


チリンッ…チリンッ…


微かな鈴の音に、青年は辺りを見渡す。